2012年1月23日月曜日

嗚呼、恥ずかしき入稿データ

視デの授業では「エディトリアル」という授業があります。
自由なテーマで見開きA3の紙面を構成・編集、四六版の紙に面付け、入稿用の完全データを作成し、実際に大手の印刷会社で印刷するというなんともワクワクな授業があります。(4色刷りだぜ!)

「デザイナーとして恥ずかしくない入稿データを作ろう」先生はそうおっしゃっていました。

私はその授業を取り、大変勉強になりました。それまでは何から何まで自己流でしたので、正しいトンボの付け方や折りのトンボの付け方、画像の添付の仕方などなど、何も知りませんでした。
「インクジェットプリンタで出力できればとりあえずOK」的な考えの持ち主だったので、それはそれは恥ずかしいデータを作っていたんだと思います。

でも、本当に恥ずかしいデータってそんな事ではないのだと、友人の作品を通して知ることができたのです。

授業の最終日。
刷り上がった作品が印刷会社から学校へ届きました。
友人が作っていた作品は、本をテーマにした作品。
シンプルな構成の紙面、落ち着いたトーン、整然と積まれた本の写真。
とても美しい作品した。

皆はオフセット印刷に感動。インクの乗り、紙とインクの相性、質感などを高揚しながら確かめていました。そんな中、友人が顔を赤くしながら私に近づき、こう耳打ちしました。

友人「やべぇ、めっちゃ恥ずかしい…。この写真見て、積んだ本の一番下…」

私「一番下…?」

友人「…んもうだよ」

私「え?」

友人「いん◯うが写ってる」

そう、決して写り込んではいけないものが、わずかですが、確かに写っていました。

このデータがあの超大手の印刷会社の機械で刷られたのです。
そう考えたら私の腹筋は崩壊せざるを得ず、デザイナーとして恥ずかしくない入稿データを作ろうと心に決めたのでした。

2012年1月22日日曜日

展示期間中に壊れていく儚き作品たち

そう、展示すればわかりますが、作品は壊れてしまいます。思っている以上に壊れます。

どんどん、どんどん、壊れていく自分の作品を見ていると、「ああ、もうそういう作品なんです」って言いたくなる気持ちもわかります。

私の作品も、散々壊れました。触るタイプの作品ばかり作るものなので。

甘い製本は崩れます。…はい紙芝居の出来上がり。
木の板は湿気や乾燥で曲がり、この板のアールはどうやってつけたの状態に。…これが職人技だ。
配線がおかしくなって電気が点かず、あれ照明つくんじゃなかったの?…ああ節電な。
パネルは照明の熱で反り、壁から落ち、なんでパネルを床に置いてるの?…それがアートだよ。

壊れてしまうこと、時間がたつと変形してしまうことを想定し、展示期間に合わせて造りを考えていきましょう。
2日の展示と、1週間の展示では造りが全然違ってくるはずです。
なんと言っても、触る人数が違います。

触るタイプの作品でなくても、必ず誰かは触ります。
触ってもらうタイプの作品であれば、どんな扱いをされるかもわかりません。
触ってもらうタイプの作品を作った場合、「壊れる作品を作った自分がわるい」という気持ちでいること。

壊れないように作ったとしても、壊れます。その場合にも対応できるようにしています。作品がひとつ無くなるとそれが目立ってしまう展示の場合、サブの作品も用意できると良いです。(複製可能な作品に限る)
5つの作品を展示していた場合、6つ目の作品も用意しておくこと。取り替えても展示が成り立つように。あれ、足りなくない?ってならないように。未完成に見えるよりはハッタリをかましたいと思っています。
修理ができる準備もしておきましょう。

もちろん、そんな事になってはいけませんが、念には念を。

まとめ
①展示期間に合わせた造りを考える
②予備の作品も用意する(可能な作品であれば)
③壊れた時に修理できる工具、材料は準備しておく

最後に。
一番、破壊力がある展示は、卒制展ではなく、学内展でもありません、そんなん優しいものです。

芸祭が圧倒的に破壊されます。
小◯生に気をつけろ!

うおー!きもちいいー!かわいいーー!
ウオラァーー!とか言って引っ張り捻り切ろうとしてきます。(某やわらか系のフィギュアを)
代わりはいくらでもあるからいいけどね。別にいいけどね。ちぎってもいいけどね。


では!

最優秀わたべ賞

最優秀わたべ賞とは何かということですよね。

美術大学では卒業するときには、卒業制作という4年間の集大成のような作品を各々が作るわけです。
それを生徒が教授にプレゼンし、採点され、上位の人は「最優秀賞」とか「◯◯賞(偉い人の名前)」とかが貰えるわけです。それが美大の卒業制作というもので、やっぱりみんな賞が欲しいものなんです。デザインやってて、クールなアイツも、カワイイ顔のあの子も、いつも落書きしてるあの人も、それはそれは、やっぱりみんな認められたいものなんです。

そんな私も昨年、卒業制作を展示していました。
作品は、アクリル製の体験型の作品と言いますか、大人向けのおもちゃみたいなのを作りました。(下ネタではない)
その展示中にナカヤ君という友人が散々、私の作品で遊び倒したあとに、「お前の作品は最優秀ナカヤ賞だ!」って言ってくれたんです。

これが嬉しくて。学校に認められるのもそりゃ嬉しいけど、同級生に認めてもらえるってこれが一番嬉しい事かもしれません。そして「最優秀ナカヤ賞だ!」って言えるのって素敵な事だと心から思ったんです。常に作品を意識していたライバルでもあるし、ひねくれ野郎である彼からこんな言葉を聞いた日にはそれは嬉しさ倍増ですよそりゃ。

「これはいいよ!」って言えること、「この作品、好きだよ!」って素直に言うことは大切なんだとその時に強く思ったんです。たぶん言った本人が思っている以上に、言われた方は嬉しいんです。

「いい!」と思ったものはしっかり伝えていこう。それが最優秀わたべ賞なんです。
決して上からというわけではなく、「誰が何と言おうと、あなたの作品、俺は好きだ!最高だぜ!」っていう最上級の賛辞です。

本日、母校である武蔵野美術大学 視覚伝達デザイン学科の卒業制作を見てきました。
良い作品、いっぱいありました。ありました、最優秀わたべ賞。

その作者の方とは直接会えて、話せました。伝えました。本当に良かったです。

ぜひ、「最優秀◯◯(あなた)賞」を伝えてみて下さい。
それがクリエイターにとって最高に嬉しいことなんです。

2012年1月19日木曜日

成人式で久々に会った友人と話したら次の日、顔が痛かった

今年1月に成人したバイトさんが「成人式で久々に会った友人と話したら次の日に顔が痛くなりました」って言っていました。
これってすごく面白い現象で、興味深いと思ったんです。


確かに、久々に会った人とか、この人に会うと顔が疲れるなって事ありますよね。
基本的には、作り笑顔が原因だと思うのですが。
その他にも心理学ではおなじみの「ミラーリング効果」が原因なのではないか、と考えたのです。


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●ミラーリング効果とは●


真似ることで自分が味方だと相手に認識させる。
ミラーとは文字どおり「鏡」のことで、鏡に映すように相手の仕草や動作などを真似ると、その相手が無意識のうちに好意を抱くというものです。
なぜ好意を抱くのかというと、「真似る」という行為はその人への尊敬や好意といったポジティブな意識の表明と認識されるため、自分と同じような仕草や動作をとる人のことを味方と認識するからといわれています。


岐阜心理カウンセリングルームwebから引用
http://www.mental-gifu.jp/article/14216278.html
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作り笑顔の他にも、顔の表情全般を無意識にミラーリングして「味方ですよ」アピールをしているんだと思うんです。


よく会う人・気の合う人は、顔の筋肉の使い方が似てきているので疲れません。
でも、久々に会った人は、それはもうの表情の方言みたいなもので、顔の筋肉の使い方が違うわけですから、似たような表情を無意識にミラーリングすることによって疲れてしまうのでは、と考えたわけです。


このようにして「再会系の顔面筋肉痛」が発症するわけです。(渡部の仮説)

2012年1月17日火曜日

作品の大きさって意外な事に影響されている

作品の大きさって、けっこう身近で意外な事に影響されて決定されていると思うんです。
それを知ることで、自分の作品に知らずにかかっているフィルターをやぶる手がかりになるかもしれません。
まずは「自分の筋力」です。
ちょっと何か作ろうかなと思った時は、自分が持ち上げられないもの、運べないものはまず作りませんよね。とても持ち上がらない本や、立体物を「よっしゃーつくるぜー」とはなりません。何かを作るとき、自然と自分で運べる重さのものを想定します。大きな作品を作る時も「運べるか?」が大きさのひとつの基準になってくるのでしょう。一人で運べなくてもいいじゃん、って思えたら何か変わるかもしれませんね。
次は「部屋の広さ、机の大きさ」です。
これ、大事。思いのほか、大事。「こういうの作ろうかな〜でも場所がなぁ」って事はよくありますよね。
「見開きでA2の本にするがベストだと思うんだけど、デカいな。机がちょっと狭くて…パソコンどかして(ああメンド…)A3でもいいかな?お、お、いいんじゃね?よしA3で!!」
結局大きいものを作ることを断念して「大きいの作ろうと思ってたけど、小さくても意外といいじゃん!」という自分に言い聞かせるような事と言ってゴマかしてることってあるかもしれませんね。
あと「自分の体の大きさ」です。
作品を見せるための大事な展示台。展示台の大きさどうしよう?ってなったとき、やっぱり自分の体にしっくりくるように作りがちです。一般的には立った人、歩いてるに見せる場合には90cm程度の高さ、座る場合には65cm程度の高さが良いとされています。自分で思っている以上に、身長による目線の高さって違うので、対象の人の目線(物理的な目線)に立って考えることが必要ですね。
まだあるけど(眠いから)最後はPCばっかりやってる我々の「視力」です。
このサイズのポスターでは文字は◯Qでとか一般的なルールはあるかもしれませんが、やっぱり自分で見えないものって作りませんよね。間違いなく、自分でサッと作ったものは、自分の視力が少なからず影響していることは頭のどっかに入れといたほうがいいと思うんです。
「最高にクールなのできたぜー」と思っていると「あー字ィちっちゃくて見えんわ」って言われるんで。若い人は自分が若いことを自覚しましょう。
では。